Windowsでのpdf作成(ChainLP)
= Windows上でのフリーソフトウェア(ChainLP)を使ったPDFの作成 =
Windows環境ではOS標準のPDF作成手段が提供されないので、
フリーソフトウェアのChainLPをインストールして使用します。
この文書はChainLP V0.40-8 を使用して作成しました。
== インストール ==
ChainLP の公開ページ( http://no722.cocolog-nifty.com/blog/chainlp/ )
から、最新版の「ChainLP????.zip」をダウンロードします。
ダウンロードしたzipファイルを展開します。
インストーラは付属しませんので、適当なフォルダを自分で決めて展開先とします。どこに展開しても構いません。
展開したフォルダの中にある ChainLP.exe のショートカットを、デスクトップやクイック起動パネル上に作成し、ChainLPを起動しやすいようにします。
ChainLPを起動したときに ".NET Framework Initialization Error" が表示されるなら、.NET Framework 4.0 ランタイムがインストールされていないので、サイトの手順に従ってランタイムもインストールします。
== 原稿画像データの準備 ==
横768*縦1024ピクセル程度になるように、原稿の画像データを作成します。
B5原稿の場合は、書き出しの際に解像度を100dpiに設定すると、おおむねそのサイズになります。
版下ではないのでトンボは不要です(ComicStudioの場合、出力範囲を「トンボの内側まで」とします)。
モノクロ原稿であればグレースケールで出力します。
表紙などのカラーページと、モノクロページを混在させることは問題ありません。サイズ(縦横ピクセル数)は同じにする必要があります。
画像形式はPNGが良いでしょう(原稿をJPEGで出力すると、ChainLPでのPDF作成時に再度の非可逆圧縮がかかり、画質が不必要に劣化します)。
ファイル名は、本文を1番からの連番(xxxx0001.png など)を含むファイルとし、表紙は先頭に来るように0番(xxxx0000.png) としておきます。
(基本的にこの連番の順で面付けされますが、ChainLP上で変更することも可能です)
== 面付 ==
PDF形式の電子書籍の場合、表紙や裏表紙をどう扱うかは規定されていません。
ビューワがPDFの1ページ目を表紙として扱うことが多いので、1ページ目は表紙にしておいた方が良いでしょう。
裏表紙をどうするかは作成者の裁量に委ねられます。省略されていることが多いようです。
PDFの場合、(実際の本と異なり)1ページ目と2ページ目、3ページ目と4ページ目のように、奇数ページと次のページの組が見開きになります。
このため、表紙の後に本文1ページ目(PDF上では2ページ目)が来るのであれば、見開きに問題は生じません。
表紙と見開きになるように裏表紙を置く場合は、「表紙, 裏表紙, 空白のページ, 本文1ページ目」の順にします。
空白のページは、他のページと同ピクセルサイズで内容が白い画像ファイルとして別個に作成してください。
== PDFの作成 ==
ChainLPを起動します。
メニューの[ファイル]-[連番ファイルを読み込む] を実行し、原稿画像データの格納されたフォルダを指定します。
するとChainLPのウィンドウ左側のパネルにファイルの一覧が表示されます。
ファイルの連番の順になっていますが、必要があれば面付けを変更します。(メニューの[編集]-[並び替え パス+ファイル] を選択した後、面付けを変更したいページを選択し、右クリックメニューの"上へ", "下へ" で上下に順序を移動できます)
右側のパネルで設定を行います。
- サイズは"768" "1024" "通常"
- 綴じは "右綴じ(漫画や小説など)"
- 2個1は "なし"
- ルーラー配置は "なし"
- 縦横比チェックはしない(チェックボックスのチェックを外します)
- ページ補正はしない
- 本文ボールド化はしない
- ガンマ補正はしない
- シャープネスはしない
- タイトルの上のフリガナ には書籍のタイトルのフリガナを入力します
- タイトル には書籍のタイトルを入力します
- 著者の上のフリガナ には著者名のフリガナを入力します
- 著者 には著者名を入力します
- 文書詳細ボタンを押すと、さらに詳細な書籍情報が入力できます
メニューの[ファイル]-[Acrobat形式(PDF)で保存] を実行し、作成するPDFのファイル名を決めて指定します。
これで数秒程度待つと、PDFファイルが作成されます。
PDFのファイルサイズと画質を調整したい場合は、PDFを作成する前に、メニューの[編集]-[詳細設定] の"画像設定"タブで、JPEGのクオリティを設定します。
クオリティの数字を少なくするほどPDFファイルサイズが小さく(ただし画質は低く)なり、大きくすると画質が良く(ただしファイルサイズは大きく)なります。最大で100です。
100に設定しないと、JPEG圧縮に起因するノイズの発生が気になるかもしれません。
ChainLPではJPEG圧縮自体を回避することはできません。
== 問題と対処 ==
メニューの[ファイル]-[連番ファイルを読み込む] で、画像フォルダの指定が正常にできなくなったら、ChainLP.exe と同じディレクトリに存在する default.ini を直接編集し、"INPUTFOLDER=...." の 行を "INPUTFOLDER=" と空にして、再度ChainLP.exeを立ち上げてみてください。
(ChainLPが使用している .NET FrameWork の"フォルダの参照"ダイアログは、ネットワークドライブでの動作に難があるように見受けられます)