sample2epub
<<<はじめに>>>
KindleやiBooksでの書籍配信のためにアップロードできるEPUB形式のデータは
簡単に言うと、画像ファイルやページ配置ファイルが入ったフォルダをzip圧縮したものですが、
その圧縮は多少難しい手順によって行われます。
以下に、MAC上でこの圧縮を行う手順まとめました。
以前、こちらのサイトで
PabooのEPUBデータを加工してKindle配信データを作成する要領を説明しましたが、
これで出来たデータをEPUBに圧縮したい場合は、下記の<<<圧縮の手順>>>で
「item」の部分を「OEBPS」に置き換えて手順に従って下さい。
<<<圧縮の手順>>>
1)まず、圧縮を行いたい電子書籍のフォルダをデスクトップに置きます。
例として「sample」という名称のフォルダを示します。
フォルダの中身はこの通りです。
2)MACのアプリケーション内のユーティリティ内にある「ターミナル」を起動します。
3)ターミナルで圧縮します
MAC「ターミナル」を見たことがない方には見慣れないタイプの画面ですが、
この画面はキー入力によってのみ操作します。
(この行以下の手順では「sample」をあなたの用意したフォルダー名に置き換えて下さい)
(ターミナルへの入力は下記の緑色表示のコマンドをコピー&ペーストすることも可能です)
まず「cd desktop/sample」と入力してリターンキーを押して下さい。
これにより、ターミナルに作業領域がデスクトップの「sample」フォルダー内と認識させます。
「cd」は「チェンジ・デレクトリ」の意味です。
続いて
「zip -0 -X sample.epub mimetype」 と入力してリターンキー
(「0」は数字のゼロ、「X」は半角英文字の大文字、 空白は英文字半角のスペースです)
「zip -r sample.epub META-INF/*」 と入力してリターンキー
「zip -r sample.epub item/* -x */.* -x */*/.*」 と入力してリターンキー
(「 -x */.* -x */*/.*」はmacのフォルダ内の非可視ファイルを除外するためのコマンドです)
これにより、「sample」フォルダー内にsample.epubというファイルが生成されます。
最後に必ず「cd」と入力してリターンキーを押した後にターミナルを終了させて下さい。
これにより、ターミナルは起動時の初期状態に戻ります。
作業は以上です。
「sample」フォルダー内のEPUBデータをKindlePreviewerにかけると、
またはiPhone、iPadに転送してiBooksで開くと、動作が確認できます。
動作に問題なければKDPやiBookstoreでのアップロード用データにお使い下さい。
<<<EPUBの利点>>>
EPUBのファイルサイズはKDPで登録した際にKindle側が管理するサイズとほぼ同じです。
MOBIの場合、ファイルサイズはこの倍ぐらいになることがあります。
個人によるKDPでは登録できる容量は「50MB」の上限がありますので、
(出版社の出している本では50MBを越えるものもあります)
EPUB時のファイルサイズを把握しておくと便利です。
<<<追記>>>
現在すでにKDPをはじめられている漫画家の多くはCLIPSTUDIOのサイトの
「さっそくKindle用コミックを公開してみよう!」を参考にされています。
ここに上がっているsampleをフォルダーまるごと無圧縮Zipをかけることにより
EPUBデータとしてKindlePreviewerで動作確認したり、KDPに用いたりできます。
しかし、電子書籍協会が提唱する正しいEPUB形態ではなく、iBooks等では利用できません。
CLIPSTUDIOのサンプルのファイル構成を手本にされている方は、
早急にこちらで紹介するEPUB等に切り替えることをお勧めします。